液中AFM計測による単一原子・単一分子の直接観察

さまざまな原子・分子スケール現象を解明することを目指して、液中でひとつひとつの原子や分子を観察できる原子間力顕微鏡(AFM)を開発しています。これまでに自作AFM装置を用いてナノ結晶の原子スケール表面構造(J Phys Chem C 2018)、有機分子の分子内構造(J Phys Chem C 2020)、高分子の単一分子鎖(J Am Chem Soc 2019)、タンパク質のαヘリックス(Biophys J 2011)やサブユニット(Sci Rep 2019)などの超解像観察を実現してきました。無機材料から有機分子・高分子・生体分子までさまざまな試料の原子・分子スケール計測に取り組んだ経験、蓄積してきたノウハウを駆使して固液界面の原子・分子構造やそのダイナミクスが関わる現象の解明と新たな機能性材料の創出を目指して研究を行っています。

液中AFMを駆使した固液界面現象の分子論的理解

固液界面という特殊な場で生じる吸着・化学反応・物質移動などの諸現象は、私たちの生活に深く関わっています。その例を挙げると、電池・触媒反応・洗浄・接着・塗装・印刷・食品・化粧品・医薬品など身近なものばかりです。固液界面現象の関わる化学構造や物性を原子・分子スケールで明らかにして、その分子論的理解を進展させることを研究目標としています。具体的には「化学物質の吸着・非吸着」や「疎水性相互作用」「機能性分子の自己集合」のメカニズム解明を解明し、環境・エネルギー問題の解決や健康・医療などへ貢献することを目指しています。

2分子間相互作用力分布の実空間AFM計測法の確立

空間空隙材料による選択な貯蔵・輸送・分離・変換を実現するためには、ゲスト分子がどのような相互作用を受けてナノ空間空隙に接近・吸着するのか分子スケールで理解することが重要です。 ゲスト分子と空間空隙の間に生じる相互作用力を3次元空間で直接計測する新しい先端AFM技術を開発し、ゲスト分子の吸着エネルギーに関する考察や吸着サイトの可視化を実現する基盤的計測手法を確立することを目指しています。

共同研究の積極的な推進

大学・国研・企業問わず多くの研究グループと共同研究を推進しています。異なるバックグランドを持つ研究者との協働により、1つの研究室では取り組むことが困難な挑戦的な研究課題に取り組んでいます。

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